サービス業として必ず必要なのはお客様との対話です。対面式ではもちろん、メールやSNSのやりとりでも求めてくださるお客様とは必ず対話します。何を必要とされているのか、いついらっしゃるのか、全てお伺いしなければわかりません。そういったことを聞くことも忘れてしまう人もいます。
毎月いらっしゃってくださるお客様がいる。お仕事帰りに立ち寄りやすく、店長をいつもご指名で来てくださっている。
先月から店長が産休に入ったため、他のスタッフで対応することになった。
お得意様だし、ネイルを楽しみにされているから、施術をしっかり頑張らないといけない。
今回は私の番だった。お客様のご要望のデザインもできたし、時間内に納めることができたし、施術も丁寧に行えた。
お客様もお礼を言ってくださって嬉しいのだけれど、なんだかいつもの笑顔をいただけていない気がする。デザインが何か違っていたのかしら、、、施術中に不快な思いをさせてしまったかしら、、、すごく気になる。
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ネイリストがお客様にご満足いただけていないのではないかと不安になる理由
ネイリストにとって長年通っていただいているお客様の存在はありがたく、また励みになります。何よりお客様にご満足いただきたいと思いますよね。
店長付のお客様を自分が担当することになり、緊張もすると思います。そしていつも楽しげに帰られていたのに、なんとなくいつもと違う雰囲気、、、自分が担当したからか、デザインがお気に召さなかったのか、施術中に不快に感じられたことがあったのか、色々心配になります。
でもお客様にお尋ねすることもできず、モヤモヤしたまままた次のお客様をお迎えすることになり、何が原因だったのかわからず仕舞いになります。
ネイリストに対してネイルサロンに毎月通われるお客様が望まれること
ネイリストというお客様をお迎えする立場として、つい忘れてしまいがちなことがあります。それは何かわかりますか?
それはお客様目線です。
究極を言えば、ネイルをしていなくても次の日から生活が困ることはありません。それなのにネイルを施すのはなぜか?
ネイルという自分にとっての楽しみ、ご褒美。ネイルを施した手元を見て、自分の自信に繋がる、綺麗になれたという思いなどでお客様はネイルを施してくださいます。
ネイリストの技術の高さをミリ単位でわかるお客様はなかなかいません。それはつまりそこを重要視されていないということです。
デザインを望まれるお客様もいらっしゃると思います。その場合はデザインの提案がご希望に添えなかった場合、次につながらないかもしれません。
ではネイルサロンでお客様が過ごす時間を考えてみましょう。
お客様は短くても1時間半以上はそこに座っていらっしゃいます。その間にすること。それはネイリストとの会話です。
もし携帯をいじっていらっしゃるから、声をかけにくいとか、自分の施術に必死になってお話ができないままだったとか、それはお客様にとっては苦痛の1時間半かもしれません。
ネイルはマッサージやエステとも違って、お客様が寝るということも難しいかと思います。だからこそ、施術中の会話が楽しく、しかも学びにもなるものであれば、お客様にとってはサロンで過ごされた時間が、手元の満足だけでなく、心からリラックスした時間、学びの時間にもなり楽しく帰宅することができます。
そしてまた次もここへきたい、この人に会いたいと思ってくれるのです。
お客様は技術やデザインだけでネイルサロンを選ばれているのではなく、何気ないネイリストとの会話も楽しみにされているのです。
ネイリストが選ばれるために意識すべき点
ネイリストという職業は技術だけでは成り立ちません。
サービス業に位置付けられていますが、これからは「おもてなし業」という意識をもって仕事に臨む必要があります。
サービスは求められたものだけを提供すること、おもてなしは相手が望むことをこちらから用意して対応することです。
コロナによってたくさんの人たちが取捨選択をしています。極力必要なことだけを選んでいるのです。その選択肢は人それぞれ違います。食事なのか運動なのか読書なのか。ショッピングやネイルを選ばれる方もいます。世の中の人全員に必要なものではないにしても、誰かにとってはそれがストレス発散で、楽しみで、生きがいかもしれません。
現況の中、そう思う方が選ぶのは本物です。
少し無理をしても通いたい、他を犠牲にしても通いたいと思ってもらうことが大切なのです。
つまり「おもてなし業」としてはせっかく来てくださったお客様にめいいっぱい楽しい時間を過ごしてもらう接客、話術が必要になるのです。会話はただ聞くだけでは成り立ちません。こちら側からもお客様それぞれにあった話ができるよう日々情報を更新して行くことが大切になります。
まとめ
ネイリストの価値観を変えることがネイリスト自体の価値をあげていきます。
その価値観が何なのか教えてくれるサロンは多くはありません。
施術だけに囚われていると、近い場所に取って代わられるかもしれないし、ネイルの楽しみをお客様が忘れてしまうかもしれません。
これから必要とされる本物のネイリストの価値観を身につけることができる人はそもそも接客センスがある人か意識をしている人だけです。
センスは生まれつきも部分もあるかもしれませんが、意識は自分の気持ち次第でいくらでも変えることができます。
これからますます本物だけが選ばれる時代になります。コロナの収束はまだ見えていません。でも日々は過ぎていきます。
ウィズコロナ時代に本物として選ばれるよう施術だけに囚われない、おもてなし業としての意識改革に励みましょう。
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